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いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。TRCリユースコンサルティングの千馬です。本日は「リユース業界の2024年のトレンドと経営課題」についてお伝えしたいと思います。
弊社会員企業様の2023年度の数値、大手リユース企業のIR企業の実績を拝見すると、リユース全体は足元好業績です。大手リユースを中心にコロナ5類移行以降の「国内積極出店」「海外積極出店」「シナジーを出せる企業のM&Aによる買収」「インバウンド獲得」「越境EC強化」等のポジティブな取組みが多く見られる傾向にありました。皆様の2023年の業績はいかがだったでしょうか?また2024年の大きな方針は固まったでしょうか?
以下、大きなトレンドの整理とリユース業界における予想される経営課題を整理していきたいと思います。
皆様の経営における何かしらのヒントとなれば幸いです。
リユース業界の2024年のトレンドと予想される経営課題について。
目次
①リユース市場の増加
→円安、物価高、環境配慮等リユースへの機運が高まり「中古品」への注目度アップ、リユースショップ利用新規客の利用増(マーケット増加)
②インバウンド市場が牽引
→インバウンドはコロナ前の水準まで回復(月間200万人前後来日)。ブランド品を中心に需要を喚起。ブランドヴィンテージ市場が伸長。
③買取市場の増加
→①の影響から、買取需要が拡大。買取市場が増加する。(買取繁忙月は大忙しに)
④一部商材がマーケットを刺激
→一部の商材の高騰がマーケットを刺激(例 金相場、お酒、トレカ、ヴィンテージ古着、羽毛等世界的な素材高の影響も)
⑤越境ECへのチャレンジがより身近に
→ECにおいて越境ECとの連携が拡大。国内ECに出品する感覚で越境ECが可能になる可能性。
⑥リユース関連のM&Aが活性化
→リユース市場がポジティブに捉えられることから、売り手、買い手ともにM&A市場が活性化。
⑦リユース×異業種の協業加速
SDGsの観点から不用品の回収ボックスの拡大や自治体との協業が進む。リユース企業×自治体・一次流通事業者との協業は加速。一次流通企業の二次流通参入も加速。
①人材不足
→特にリユースに限らず小売業・サービス業の求人倍率増加。人材確保&定着が一丁目一番地の課題。
②粗利率低下傾向
→全体では粗利率低下傾向。トレンド商品の構成比が上がれば上がるほど、低粗利率になりやすい。
③リユース市場は成熟期へ
→リユース市場は拡大を続けるが、それを牽引するのは「CtoC」のみ。店舗型リユース、ネットリユースは横ばいで成熟期へ。
④DX、デジタルだけでは業績アップしにくい
→DX関連は一旦落ち着き。コロナ禍のEC特需は終了。DX、デジタル強化だけでは根本的な業績アップにはなりにくい。(あくまで手段)
⑤「守り」面でのリスク増加
→リユース市場が注目を浴びる反面、コンプライアンス順守等「守り」部分でのリスク増加の可能性。(良くも悪くも露出が増える)
⑥新規客獲得コストは増加
→新規客獲得コストの増加。紙媒体もWEB媒体も新規客の獲得コストは上がる。WEB媒体も競合状況によって獲得コストが大きく変動。
⑦経費面での増加
→労務関連コスト、光熱費増加等の経費面の増加(年収アップは良いことだが)
①自社のビジョン・ミッションの明確化、言語化、浸透。(何のためにこの事業を行っているのか?)
→利益追求だけでは「人」も「モノ」も集まらない時代。
②自社の強みと顧客の再定義(自社の強みは何か?自社の強みでどんなお客様に価値を提供できるか?)
→消費者から見るとリユースショップ、企業も同質化して見える。自社の強みを明確にして、価値を提供する顧客像を明確にする。結果。採用にも直結する。
③新しい採用スタイルの確立
→通常の採用媒体からは求人すら集まらない。急成長の「スキマバイト」からの自社認知、トライアル雇用、正規雇用への導線作り。
④マーケティング面においては「人材不足」を考慮。「コントロール」しながらマーケティング活動を実施。
→WEB広告、紙媒体ともに「人材不足」を考慮したきめ細かなマーケティング活動が必要。
⑤在庫コントロールの重要度増。キャッシュフローを意識した買取販売戦略。
→販売状況、買取状況、在庫状況を俯瞰的に見ながら打ち手を考える工夫が必要。バイヤーへの伝達、教育の質アップが不可欠。特に中低単価商品の回転率アップは課題に。
現在、好調なリユース企業は上記のような課題に対しての打ち手を先行して取り組まれており、結果さらに好業績へと繋げられています。全体としてはポジティブなリユース業界において、自社の強みをより明確にして経営をされると良いのではないかと思います。
ご参考下さいませ。
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TRCリユースコンサルティング 千馬
熊本県出身。元船井総研チーフ経営コンサルタント。 船井総研入社後、住宅不動産業界、小売業界、サービス業界など約20業種のプロジェクトリーダーを務める。 大手SC店長勉強会講師、企業デューデリジェンス業務、戦略策定から実行支援まで経験を有する。 リユースチーム所属時は統括責任者として、総合、古着、ネット買取専門店業態のエキスパートとして全国に繁盛店を生み出してきた。 現在はリアル×デジタルのマーケティングをミックスさせ、新業態開発から既存店の活性化、社員教育まで幅広く対応。 リユース企業店長アカデミーTRPA(Tomorrow Reuse Professional Academy)を主宰。 《主なコンサルティング実績》 ・ リユース専門店(リアル)立ち上げ支援多数(15年以上) ・ ネット型リユース事業開発支援(30社以上) ・ 大手SC店長研修(500店舗以上の商業施設向け) ・ リユース企業デューデリジェンス業務(対金融機関向け) ・ 累計100社以上のリユース企業活性化支援 ・ 累計1000名以上のリユース業店長・マネージャー。店長候補スタッフの育成 ・ 年商1億円規模から年商200億円までのリユース企業の戦略立案及びアドバイス