デジタルシフトの第3回です。本日は顧客化・会員化のテーマで、デジタルシフトの観点からお話をさせていただきます。
まず前提として、貴方のお店はどれくらい『お客さまに関する指標』を取ることが出来ていますでしょうか?お客さまに関する指標の具体例としては、平均買取客単価・買取に関する満足度・新規買取顧客のリピート率などが挙げられます。
先日セミナーを行った際にアンケートを取った結果、これらの指標を取れていた会社さんは1割未満でした。
現在のリユース業界の大きな課題は、お客さまを『商品を持ってきた人』として見ていて、真の意味で『お客さま』と見れていない事ではないでしょうか。その証拠に多くのリユース企業が、顧客に関する指標を全く取れていない現状なのです。
下関のものばんくさんの事例を御紹介します。
ものばんくさんでは、全ての買取で顧客満足度アンケートを実施し、その結果を元に接客接遇の改善を行っています。
更に、お客さまの年齢×性別×商材という指標でリピート率の調査も行い、接客のアプローチに活かしています。その結果、多くの買取店が苦戦する中、新規買取顧客234%アップ・総買取件数170%アップを実現されました。
▲ものばんくで利用している顧客アンケート
もう1つの事例を見てみましょう。上の画像は、ある総合リユースの顧客のデータを分析した表です。
一部伏せていますが、1回の買取で終わってしまった割合を見てみると、60%近くにも昇ります。これでは、いくら新規集客をしてもバケツの底に穴が空いた状態です。
早急に顧客満足度アンケートを実施し、課題を見つける必要があります。
お客さまのデータが取れていないということは、正しい施策や改善のアプローチが取れていないということになります。
データを活用し、いかに買取アップに繋げていくかが、いま成長している企業とそうでない企業の大きな「差」になってきています。
ライフサイクルの初期で、多くの新規顧客が獲得できていた時代では、単発的に収益を上げるフロー型でビジネスを行ってきたお店が多いように思います。
ライフサイクルが進み、多くの選択肢が出来たこれからの時代は、1人のお客さまから継続的に収益を上げるストック型にビジネスモデルをシフトしていく必要があるのです。
お客さまの利用の頻度や単価を上げ、LTV(LifeTimeValue:生涯顧客価値)を向上させることが、これからのリユース業には求められます。
そのスタートとして、まずはお客さまを知ることです。アナログな紙アンケートからでも、数値を取ることは可能です。
デジタルシフトのテーマですが、アナログなやり方でもデータの重要性を理解した後に、POSなどのシステムを活用し効率的にデータ分析が出来るように、お店をアップデートしていくのが良いと思います。
元船井総合研究所経営コンサルタント。小売・EC業界業界に6年以上携わり、国内リユース事業・輸出事業・輸入事業・OEM商品制作販売事業など ゼロから年商4億の事業に成長させた経験を持つ。WEBマーケティングとEC販売を得意とし、自身もリユース業界をテクノロジーで支援する株式会社NOVASTOの代表を務め、業界の最先端のノウハウを追い求めている。現在のクライアントは、総合リユース・買取専門店・中古工具専門店・ネット型リユースなど多岐にわたる。。