※こちらの記事は、リサイクル通信に寄稿しております記事のバックナンバーとなっております。
TRCリユースコンサルティングでは、月1回リサイクル通信にて連載をしております。リサイクル通信については、こちらをご確認下さい。
目次
こんにちは、TRCリユースコンサルティングでコンサルタントをしております、佐藤秀平と申します。
私の詳しいプロフィールは下部をご覧頂くとして、早速本題に入っていきたいと思います。
前回リユース業界で、地殻変動が起きているというお話をしました。
①粗利率ダウン・回転率アップの時代、②一億総“商人”時代、③消費者が“自分で査定する”時代、これら3つの時流のうち、今回は②③について解説したいと思います。
リユース業界を取り巻く外部環境は、ここ数年大きく変化してきました。
②③の2つの時流が表しているのは、リユースショップの「存在意義」が改めて問われているということです。
メルカリをはじめとしたフリマアプリの登場で、消費者は”リセールバリュー”をより意識する消費スタイルに変化してきました。
メルカリのアプリがあれば、消費者は、簡単に商品の相場(売却したときの価値)を知ることができます。
10,000円で買って、3ヶ月使ったあと、5,000円で売却し、3ヶ月の消費(レンタル)を5,000円で購入しているという消費感覚が生まれてきています。
消費者自身が、リセールバリュー(商品の相場)をよく知っているので、ただ商品を安く買いたたいて、そのまま販売するだけのリユースショップでは間違いなく淘汰されます。
この流れは、都心だろうと地方だろうと関係なく、確実に訪れますし、すぐそこまで迫ってきているです。
商品の相場を見極め、査定する技術についてもう少し掘り下げてみましょう。
上の言葉は、あるミシュランで星付きの寿司店の大将が言った言葉です。
リサイクル通信の過去の記事でも取り上げられた、AI真贋査定のEntrupyやアプレ様のTALグレーディングレポートなどが登場したことによって、リユースショップがこれまで培ってきた「物の価値を見極める技術」という専売特許は失われつつあります。
実際、私が開発している次世代のPOSシステムも、膨大な買取データベースによって、商品の価値を自動的に判定し、買取金額を自動算出することが出来ます。
これらのサービスが普及してくれば、買取金額の差は小さくなり、究極誰でも査定が出来るようになるでしょう。
リユースショップが、売りたい人と買いたい人の間に挟まって、ビジネスをするためには、買取価格だけではない”別の価値”を提供する必要が出てくるのです。
実は、先ほどの寿司屋の大将の言葉には続きがあります。
「技術は、機械やAIで真似されるが、最後に残るのは”お客様との繋がり”である。」
この言葉が表すように、小売業・サービス業の商売の本質は、お客様との繋がり、つまり”信頼の集積”です。
基本的な会員管理をシステム化し、お客様の情報を把握・共有することは大前提ですが、この時流の中でお客様の信頼を得るためには「プロとしての情報提供」が必要だと考えます。
あるお店では、アンケートの結果、リピート率に最も影響したのは「バイヤーの査定商品以外のアドバイス」だったそうです。
以下はそのアドバイスのほんの一例ですが、あなたのお店がお客様に提供出来る”価値”はなんでしょう?
一度、原点に立ち返り考える必要があります。
元船井総合研究所経営コンサルタント。小売・EC業界業界に6年以上携わり、国内リユース事業・輸出事業・輸入事業・OEM商品制作販売事業など ゼロから年商4億の事業に成長させた経験を持つ。WEBマーケティングとEC販売を得意とし、自身もリユース業界をテクノロジーで支援する株式会社NOVASTOの代表を務め、業界の最先端のノウハウを追い求めている。現在のクライアントは、総合リユース・買取専門店・中古工具専門店・ネット型リユースなど多岐にわたる。。