お世話になっております。
TRCリユースコンサルティングの福本です。
18年10月24日に施工された古物営業法改正。
変更点は数点ありますが、リユース企業にとっての大きな変更点は、今まで駄目だった催事買取が申請をしたら可能になるという事。
以前からお伝えしていますが、リユース業界全体の最大の課題は利用率です。リユースショップにモノを売ったことがある人は、全体の約30%しかいません。
残り70%の潜在マーケットをどのように掘り起こせるかが、最大の課題です。
目次
今、業績を落とすリユース企業の多い中で、業績を伸ばされているリユース企業の共通点は、この潜在マーケットを掘り起こせている点です。
一番わかりやすい事例は、メルカリです。
今までモノを売るという行為をしていなかった主婦層を中心に、モノを売る楽しさを体験し、口コミし、副業のような経済的プラスもある売るという行為を促しました。
まさに、利便性を高めて潜在マーケットを掘り起こした例です。
今回の古物営業法改正は、この視点で捉えて頂きたいのです。そう、潜在マーケットを掘り起こす手段としてです。
さっそく大手のコメ兵さんは、地元名古屋のコメダ珈琲さんと組んで、喫茶店での買取をスタートされました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000043.000000884.html
このように今までできなかった新しい取り組みがたくさん生まれてくると思います。
ただ次の2つのポイントを押さえて頂きたいと考えています。
ターゲット×場所×商材は例えば、高齢富裕層を狙うなら百貨店、高級老人ホーム、医師会などのコミュニティー、そのターゲットが集まる場所。
そしてその人たちが所有していて、持っているモノ。
この組み合わせは、かなりあると思います。
「誰のどんなお困りごとを解決するのか?」という視点に立って考えてください。
終活でモノを色々処分したいけど、わざわざリユースショップに持っていくのは面倒だなという客層をイメージすると、催事買取もそうですが、そこから出張買取につなげていくことも大事になってくると思います。
その客層の立場に立って、何をしてほしいのか?改めて想像してほしいんです。
社内でブレストをしてもいいテーマだと思います。
次にシナリオです。今回の催事買取はすごくリユース企業にとっては追い風だと思うのですが、やはり催事で当てるという事にばかり、フォーカスするともったいない気がするのです。
あくまで催事なので、その後のシナリオを考えてほしいのです。
0→1の買取ファーストユーザーが、催事でモノを売るという体験に満足し、リアル店舗にモノを売るようになるとか、宅配買取で送るということや、出張買取の依頼をするといったシナリオです。
ただ、あくまで初回体験が満足がいくものであるというのが前提です。
初回体験が満足のいくものでない場合、逆に「もう、モノを売りにいくのはヤメタ!」という事にもなりかねないのです。
ここは、非常に重要なポイントです。
モノを売りに来ない70%の潜在マーケットを掘り起こしても、体験の質が悪いと、二度と使ってくれません。
催事買取で短期的に当てるという事はもちろん大切なのですが、この使い続けてくれるために、どんな対応をして、どんな体験を提供できるか?という事をしっかり考えてほしいのです。
まとめると、古物営業法改正は、リユースショップにとっては大きなチャンスだが、1社1社が顧客目線で満足のいく顧客体験が提供できるか?
そして、ライフスタイルにモノを売りにいくという行動習慣が定着するかが、問われていると思います。
新しいお客様との出会いを大切に。
京都市出身。流通小売業界、住宅不動産業界、通販業界、飲食・食品業界のコンサルティングを経て、2000年に、リユース業界向けコンサルティング部門を立ち上げ、全国各地に600店舗のクライアントを持つ部門に育てる。元船井総研上席コンサルタント。リユース業界のエキスパートとして、株式上場企業など数多くの急成長企業を作り出してきた。後、2017年2月に船井総合研究所を退職し、2017年3月にコンサルティング会社(株式会社A−DOS)を設立する。 現在、「企業の”あり方”と”やり方”をつなげて、”理念”を”利益”に変える」をモットーにコンサルティングを行っている。リユース業界向けには、TRCコンサルティングを立ち上げ、リユース企業への幅広い支援を行っている。