※こちらの記事は、リサイクル通信に寄稿しております記事のバックナンバーとなっております。
TRCリユースコンサルティングでは、月1回リサイクル通信にて連載をしております。リサイクル通信については、こちらをご確認下さい。
今回は5つの方向性の3つ目顧客化・会員化についてお伝えしたいと思います。
3つの時流の3つ目、消費者が査定する時代では、多くの顧客がモノを売却する前に、「だいたいどれくらいで売れるのかな~?」とHPや各モールもしくは、相場比較サイトなどで事前に買取相場(売却相場)を調べています。
その相場が売却する行動コストに見合えば、リユースショップに売却するし、見合わなければ自分でオークションサイトやCtoCモールで売却したりします。
以前までブラックボックスだったリサイクルショップの買取価格や再販価格が、可視化した時代になりました。
将来的にはどのお店に持っていっても、ほぼ買取価格は同じという事が起こると考えています。
どのお店に持っていっても買取価格が一緒の時代になると、お客様はどんな選択基準でお店や売却方法を選ぶでしょうか?
利便性(近さやスピード、モノの大きさ)はもちろんあると思いますが、やはり自分が使った事のある好意が持てるお店を選択するのではないでしょうか?
多くのリユースショップの顧客分析をしますと、買取顧客の上位20%で全買取金額の80%を占めていることがわかります。2:8の法則です。言い換えれば、上位20%のお客様が自社の利益の80%もの貢献をしています。
では、上位20%の顧客はどのようにして上位顧客となったのでしょうか?
上位顧客も初めて客→リピート客→ファン→ロイヤルカスタマーという段階を経ています。
皆さまのお店のロイヤルカスタマーは、どういうきっかけでロイヤルカスタマーとなっていったのでしょうか?
あるリユースショップでは、顧客感動アンケートというものを行っていらっしゃいます。
そのアンケートでは、①買取価格 ②時間 ③接客 ④査定のアドバイス(持ってきた商品以外の)の4項目を5段階で調査されていらっしゃいます。
長年の調査の結果、ロイヤルカスタマーになるお客様の共通点は、④の査定のアドバイスについて圧倒的に満足度が高いお客様ということが判明しました。
持ってきた商品以外の商品の、買取相場の状況、最適な売却方法、保管方法、そして売却を保留した方がいいアドバイスまで、自社の利益より顧客の立場にたったアドバイスをされているのです。
そんな親身になった中立的なスタンスからのお客様へのアドバイスが信頼関係へとつながり、他のお客様を紹介してくださるロイヤルカスタマーへとなっています。
整理すると、最初は、商品・サービスでお客様と出会い、期待を超えた感動体験を通じて、信頼関係を構築し、その企業、お店の考え・思い・ストーリーに共感されていっています。
これからの消費は、商品やサービスのみで選択される時代ではなく、感動する顧客体験を通じて、その会社の考え方・思い・ストーリーに共感をして頂けるかどうかが大きな別れ道となると思います。
あなたのお店は、商品・サービスを通して、どのような顧客体験を構築し、どんな思いをお客様に届けたいでしょうか??
京都市出身。流通小売業界、住宅不動産業界、通販業界、飲食・食品業界のコンサルティングを経て、2000年に、リユース業界向けコンサルティング部門を立ち上げ、全国各地に600店舗のクライアントを持つ部門に育てる。元船井総研上席コンサルタント。リユース業界のエキスパートとして、株式上場企業など数多くの急成長企業を作り出してきた。後、2017年2月に船井総合研究所を退職し、2017年3月にコンサルティング会社(株式会社A−DOS)を設立する。 現在、「企業の”あり方”と”やり方”をつなげて、”理念”を”利益”に変える」をモットーにコンサルティングを行っている。リユース業界向けには、TRCコンサルティングを立ち上げ、リユース企業への幅広い支援を行っている。