前回、「あなたのお店を支えているのは、顧客か?ファンか?」という課題を投げかけさせて頂きました。
顧客は“システム”にお金を払い、ファンは“人”にお金を払っている。コロナ禍で明らかになったのは、ファンが多い企業は影響も少なく、回復も早いというお話でした。今回は「では、ファンを創っていくには?」という事について、お話したいと思います。
リユースショップの仕事は、元来、お客様の“モノ”を正しく評価(査定)し、適正相場で販売するという仕事です。もちろん、その認識は間違っていないと思いますが、モノを正しく評価するという視点によって、それをお持ち込みになられた“ヒト”ではなく、“モノ”を中心に、仕事が行われてきたように思います。この商品は、ブランドか?人気はあるのか?状態はどうなのか?いくらくらいで売れそうなのか?という事に意識が向き過ぎている傾向があるように思います。もちろん、商品知識、真贋鑑定、中古相場の知識がないと、この仕事はできないのは重々承知していますが、逆に言えば、そういった知識だけでは、繁盛できない(ファンは創れない)と思います。
もってきたヒトは、なぜ?このモノを売りたいと思ったのか?(売却理由)や、モノを売ってどうしたいのか?お片付け?換金目的?(売却目的)、どれくらいこのモノに愛着があるのか?に意識を持って接してほしいと思います。モノではなく、ヒトに意識を向ける。
まずは、この視点の共有をすることが、ステップ1だと考えています。
そして、ヒトに視点を向けた上で、接する中で、お客様の事を考える。
「お客様の事を考える」とは、お客様の中にある興味・関心・不安・不満・不便を知るということです。
言い換えるとお客様の課題を知るというのが、ステップ2です。
次に、その課題を解決するのがステップ3。課題が解決できると喜ばれ信頼関係を築くことができ、さらにそれを仕組化できると、ファンが増え続け、独自の市場が開拓できると考えています。
そして、この独自の市場創りがリユース潜在市場を開拓し、リユース業界の新しい成長、希望ある未来につながると考えています。
まずは、モノではなく、ヒトを見る!という視点の共有から、ファン創りを始めてみませんか?
京都市出身。流通小売業界、住宅不動産業界、通販業界、飲食・食品業界のコンサルティングを経て、2000年に、リユース業界向けコンサルティング部門を立ち上げ、全国各地に600店舗のクライアントを持つ部門に育てる。元船井総研上席コンサルタント。リユース業界のエキスパートとして、株式上場企業など数多くの急成長企業を作り出してきた。後、2017年2月に船井総合研究所を退職し、2017年3月にコンサルティング会社(株式会社A−DOS)を設立する。 現在、「企業の”あり方”と”やり方”をつなげて、”理念”を”利益”に変える」をモットーにコンサルティングを行っている。リユース業界向けには、TRCコンサルティングを立ち上げ、リユース企業への幅広い支援を行っている。