新型コロナウィルスの影響で、“7割経済”という言葉も出て来ており、通常の経済活動には、戻っていないという実感をお持ちの方もたくさんいらっしゃるのでは、ないでしょうか?
そんな中で、クライアントのリユース企業各社で、コロナ以前の課題とコロナ後の課題を、考えて頂く時間をとって頂きました。出てきた多くの現在の課題は、ほぼコロナ以前の課題と変わらなかったのです。要するに、コロナによって以前からの課題が、より明確になっただけで、本質的な課題そのものの変化してなかったのです。
以前から、お伝えしておりますがライフサイクルでみるリユース業界では、1990年から10年ごとに節目があり、導入期、成長期、成熟期、衰退期と考えると分かりやすいです。
2020年はちょうどマーケット的には、衰退期に入る入口です。
この時期にリユース企業は、大きく2つの道があると考えています。
リユース業界ライフサイクルと方向性
1つ目の方向性は、人口減少、高齢化社会でリユースだけでなく、ほとんどの市場マーケットは縮小していく中で、重要になっていくのが、効率化・省力化・自動化です。デジタルや外部の仕組みを使って人間がやらなくてもよい、デジタルや外部の仕組みに任せた方がよい仕事については、どんどん任せて効率化して行く方向性です。特に、片付け需要で低単価品のお買取品の持ち込みが増えています。この時にオペレーションの効率化ができていないと、作業量が増え人件費だけが増加する悪循環に陥ってしまいます。
ただし、市場マーケット時代は縮小する流れに沿う方向性なので、縮小均衡策とも言えます。
2つ目の方向性は、顧客化・ファン化・独自化です。ある起業家の方も、「今回のコロナで明確になったのは、顧客に支えられているお店はアウト、ファンに支えられているお店はセーフというルール。」と話されていました。 では、顧客とファンの違いは、モノやシステムにお金を払っているのが「顧客」。ヒトや理念にお金を払っているのは「ファン」という定義をされていました。
コロナ禍での売上の落ち方やお客様の戻り方は、かなり企業やお店によって大きな差が出ています。その違いは、顧客に支えられているのか?それともファンに支えられているのか? この点が大きいと思います。これを機会にお客様に「ヒトが伝わっているか?」「ストーリーや理念が伝わっているか?」を考える事が大切だと思います。
そして、顧客化・ファン化が進むと独自化していきます。独自化とは、独自のマーケットを創るという意味です。喜ばす対象のお客様がより明確になっていき、そのお客様の課題(興味・関心・不安・不満・不便)を解消するお手伝いが進むと、結果的に他社とは競合しない独自のマーケットができます。特に、リユース市場の潜在需要は、7兆~37兆円あるといわれています。これらの未開拓のマーケットを掘り起こす手段が、顧客化・ファン化だと思います。
皆様の会社の本当の課題は何でしょうか?
京都市出身。流通小売業界、住宅不動産業界、通販業界、飲食・食品業界のコンサルティングを経て、2000年に、リユース業界向けコンサルティング部門を立ち上げ、全国各地に600店舗のクライアントを持つ部門に育てる。元船井総研上席コンサルタント。リユース業界のエキスパートとして、株式上場企業など数多くの急成長企業を作り出してきた。後、2017年2月に船井総合研究所を退職し、2017年3月にコンサルティング会社(株式会社A−DOS)を設立する。 現在、「企業の”あり方”と”やり方”をつなげて、”理念”を”利益”に変える」をモットーにコンサルティングを行っている。リユース業界向けには、TRCコンサルティングを立ち上げ、リユース企業への幅広い支援を行っている。