こんにちわ。TRCリユースコンサルティングの福本です。
4月12日に会員企業様である北九州市小倉の株式会社ライフクリエイト様に総勢111名のリユース企業の経営者の皆様とバス3台でお伺いしてきました。
株式会社ライフクリエイト様とは6年前からのお付き合いで、リユース業界参入後6年で年商7億円と順調に事業を伸ばされていらっしゃいます。
その6年前に立ち上げたお店がエコプラス小倉南店になります。
同社の有冨社長から当時、この物件で総合リユースを考えているとご相談を頂いた時は、「時流から言うと60坪の総合リユースでは小さすぎます。
今からリユース事業に参入されて総合リユースをお考えなら最低200坪の売場面積は必要だと思います。」とアドバイスさせて頂きました。
がしかし、同社の有冨社長はじめ経営幹部の皆さんで、ご紹介したリユース繁盛店舗を視察して頂いた上で、話し合われた結果、60坪で勝負したいとお申し出があり、ご依頼をお受け致しました。
最初の1年は売上が上がらず苦戦状況が続きました。
強い競合店も多く、買取価格競争も激しいエリアな上、競合店に比べて売場が小さいため、品揃えでは勝てないと状況の中、苦戦を強いられていました。
そんな中、一番商品(商圏内最大在庫)を作り一点突破しましょうというご提案で、様々な商材にチャレンジをしていきました。
その中で中古工具が一番反応がよく、10坪の売場で工具のみの売上で月商200万くらいまで伸ばすことができました。
そこから、その他部門のブランド部門、家電部門、生活雑貨部門なども買取が増え、売上も増加していきました。
マーケティングの基本は、勝てる①商品 ②客層 ③エリアを絞りこむことが要諦となります。
また、今回の繁盛店視察ではたくさんの気づきを頂きましたが、60坪で月商1800万という驚異の実績を出されているライフクリエイト様での3つの取り組みをご紹介させて頂きたいと思います。
目次
同店舗では、週に1回、1時間の“安売り王決定戦会議”というのを行われています。
内容は、別途添付の商品の売れ行きスピードのABC管理を行い、特にA商品(売場に出て2週間以内に売れたモノ=早く売れすぎたモノ=安売りをしたもの)を1点1点チェックし、誰が価格決定をしたのかを共有し、次回からの価格設定に役立てるというものです。
リユース商品では、価格の絶対的正解がないためこのような在庫日数を元に、販売価格及び買取価格をコントロールすることが、坪効率、人時生産性、業務スキルをレベルアップする根本となります。
これらを、スキルアップを目指すという目的で、A商品を1週間で一番たくさん売ってしまった人を“今週の安売り王”と称し、スタッフみんなで、業務スキルアップを図られています。
特にAに入る商品は、買取強化アイテムなのでこれらの在庫確保ができれば、容易に売上は上がります。
また、A商品の売価設定が安いと、回転率が速くなりすぎるため、売場での在庫日数が短く、買取見本効果も望めません。
繁盛店はこのA商品を丁寧に見直しているのです。これらの日々の地道な基本業務の徹底が、同社の繁盛の秘訣の一つだと思います。
接客の大切さはどの業界でも言われていることですが、ことリユース業界の買取における接客レベルは、他の業界と比較してもまだまだ高い企業は少ない現状です。
まして、総合リユースでは多種多様な商品を扱うため、幅広い3つの知識が必要になります。(①商品知識②真贋知識③相場知識)
現状、買取客との信頼関係を構築できるスキルは、大きな買取実績の差に表れています。
同社の接客レベルの高さと買取のファン客を構築できているエピソードとしては、同社の店長が買取が少ない時に、
買取常連客数十名に「○○さん、〇〇の商品が少ないので、もしお家にご不要な〇〇があったら持ってきてもらえませんか?」と電話をすると、かなりの確率で実際に持ってきてくれるというのです。
これらのお客様の行動がなされる要件としては、店長を応援したい、お店を応援したい、というマインドがお客様にないと中々実現できるものではありません。
いわゆるファン客層というのはこの“応援したい”と思ってくれているお客様の絶対数です。
同社の経営理念の一つに、“地域で一番働きたい会社にする!”があります。
有冨社長は、月に一度のお給料日は、銀行振り込みが多いこの世の中で、手渡しで、さらには、社長直筆の手書きのメッセージを添えて、お一人お一人に手渡しされています。
また、社員総会という年に一度、お世話になっている会社(銀行、不動産業者、広告業者)と社員全員に集まってもらい、経営ビジョン、3ヶ年経営計画の進捗、前期と今期の振り返りなどを行われています。
私も毎年参加させて頂いておりますが、毎年そのコンテンツのレベルアップには感心しています。
またその準備へ社長の熱心さも原稿作り、席配置、動画のチェック、タイムスケジュール管理まできめ細かく下準備を入念に行われているのが、印象的です。
これらの一連の社長の行動自体を社員が見ることで、言葉では伝わりきれない社長の事業に対する想い、社員に対する愛情というのを感じとられていることが、同社の強さの秘訣なのではないかと思います。
京都市出身。流通小売業界、住宅不動産業界、通販業界、飲食・食品業界のコンサルティングを経て、2000年に、リユース業界向けコンサルティング部門を立ち上げ、全国各地に600店舗のクライアントを持つ部門に育てる。元船井総研上席コンサルタント。リユース業界のエキスパートとして、株式上場企業など数多くの急成長企業を作り出してきた。後、2017年2月に船井総合研究所を退職し、2017年3月にコンサルティング会社(株式会社A−DOS)を設立する。 現在、「企業の”あり方”と”やり方”をつなげて、”理念”を”利益”に変える」をモットーにコンサルティングを行っている。リユース業界向けには、TRCコンサルティングを立ち上げ、リユース企業への幅広い支援を行っている。