「コロナ禍でも継続成長するリサイクルショップの秘密①」

コンサルタントコラム

 

皆さん、こんにちは。TRCリユースコンサルティングの福本です。

ここ10年くらいお伝えしてきた事の1つとして、リユース業界の共通の課題は「未経験顧客の開拓」というテーマがあります。

その「未経験顧客の開拓」を見事に実現されている企業があります。

福岡市を中心に中古の子供服・子供用品を販売買取されている株式会社ポストアンドポストさんです。

 

https://post-post.jp/

 

同社のアンケートによると、リユース初めてのママが顧客の85%であるという事実です。通常、リユースショップの顧客は、業態にもよりますが、80~90%のお客様がリユース好きで、リユースが初めてのお客様の比率は、10~20%が一般的です。そんな中85%というのは、驚くべき数字だと思います。

では、なぜ?同社のお店はこんなにも、リユース初めてのお客様の心をつかんでいるのでしょうか?

 

目次

リユースが初めてのお客様との接点「ベビーコンシェルジュ」

その理由の一つに、「ベビーコンシェルジュ」という仕組みがあります。ポスポスさんのお取り扱いの商品は、年齢0歳~6歳、サイズでいうとベビーサイズから130㎝までの商品に絞られています。そして、お客様である「子育てママ」が一番、買い物をして困るのがベビー用品なのです。理由は、初めての子育てで、何をどういう基準で揃えておいたらいいのだろうか? ネットも調べるけど情報が多く、本当に自分たちに必要なモノはどれなのだろうか? など、とにかく第1子の時は、わからないことだらけです。

 

そこで、新品を扱う大手チェーン店で、「今、妊娠中で子供が来月に生まれるんだけど、ベビーカーってどれを選べばいいんですか?」と店員さんに聞いても、商品知識が少なく、子育て経験のないアルバイトが多く、一定のマニュアルに沿った対応はするものの、その人にとって必要なベビーカーにたどり着ける情報は、もらえません。仕方なくネット検索で口コミランキングや何となく評価が高いベビーカーを選ぶみたいなことが、多く起きています。 そこで、ポスポスさんは、洋服は自分のセンスや好みで自由に選んで頂くことが買い物の楽しみにつながるけれど、ベビー用品については、何を選んでいいか?わからない子育てママがとても多いので、徹底的に接客するぞ!という事になり、「ベビーコンシェルジュ」という仕組みを作られます。

 

「普段の移動は、お車が多いんですか?それとも徒歩?電車?バスとかですか?」

 

「おうちは、戸建てですか?マンションですか?マンションでしたら何階に住まれているんですか?エレベーターはございますか?」

 

「赤ちゃんと一緒の移動となると、哺乳瓶、おむつ、お着換え、離乳食、授乳用タオルなどお荷物が増えます。普段、持ち歩かれるお荷物はどれくらいですか? どんな形のバッグを使われることが多いですか?」

 

など、徹底的にお客様の生活スタイルを聞いていって、その人にあった商品を一緒に選んでいくというスタイルを取られています。

 

例えば、徒歩の移動で電車やバスを多く使うという事であれば、移動が楽な軽量でコンパクトにたためるものをおススメしたり、車での移動が多い人の場合は、少し重いけどしっかりした安定性の高いものをおススメされたりしています。

それで、自分の生活スタイルにあったベビーカーが決まると、お客様も「こんなに丁寧に、生活スタイルまで聞いてくれて、自分にあった商品選びができて、すごく助かった。インターネットを見てもここまでわからないし。実際に触れて納得のいく買い物ができた。他のお店ではここまでしてくれないし。本当にこのお店に来て良かった!!」

と大喜びしてくれるといいます。

 

お客様に寄り添った接客サービスで、お客様との信頼関係を築く

 

大手チェーンではしてくれない、お客様に寄り添った接客サービスで、一気にお客様との関係性が深まります。

0歳の時にこういうお店やスタッフとの出会いがあると、その後も「何かわからない事があったら、ポスポスさんのお店のスタッフさんに聞いてみよう、また、新しい子供グッズを買う前には、一度お店によってから相談してからにしよう。」など圧倒的な信頼関係が生まれます。

この信頼関係を0歳の時に構築し、その後、6歳になるまでの約6年間、顧客との関係性が続き、スタッフそしてお店のファンになって頂けます。

マーケティング用語でいうと、LTV(ライフタイムバリュー)が高くなります。

なので、出産前、出産直後の0歳児を持つ子育てママとの顧客接点を作りやすくするために「ベビーコンシェルジュ」という仕組みを導入され、子育てママの初めて買う子供用品についての不安や不満を解消されていってらっしゃいます。

 

同社は、この取り組みを通して、新品小売店ではやりきれないこと、または、しょーがないなとあきらめていること、を解決することで、今まで新品しか買わないわ!というお客様まで、「中古とか新品とか関係なしに、自分の不安や不満を解決してくれるなら、こっちのお店の方が絶対にいいわ!」というお客様を増やしているのです。

要するに、最初に中古や新品という商品の分類があるのではなく、子育てママという1人の人間が持っている不安、不満、不便があり、それを解決する方法を提供するという、根本的な選ばれる理由を作り出しているのです。

そう考えると、中古業界とかリサイクルショップ業界と考えるのではなく、まずは、自分たちのお客様の持っている不安、不満、不便は何かということを知るところから、始まると思うのです。そして、それをどんな手段(商品やサービス)で解決するのか?という視点が大切なのです。

 

未経験顧客の“不”に気づき、どのようにしたら喜んでもらえるのか?を考えた結果、善循環に

要するに、未経験顧客の開拓というテーマは、今までリサイクルショップに来店したことがないお客様がどうやったら喜んでくれるか?(中古、新品に関わらず、現状どんな“不”を持っているのか?)マーケット的に言うと、37兆円という日本に眠っているかくれ資産を、どうリユース市場(再使用市場)に出てくるのか?というテーマそのものであります。

 

こういった未経験顧客の開拓が進むと、ブルーオーシャン(競争相手がいない市場)なので業績がもちろん良くなるのは当たり前ですが、もっと良い事はお客様からの感謝が圧倒的に増えそして、従業員さんの笑顔が増えます。そうするとさらに、お客様からの感謝も増えるという善循環が回り始めます。

 

今回、ご紹介させていただきました㈱ポストアンドポストの吉田照喜社長と、リユース業界向けのセミナーを6月29日に行います。

ぜひ、ご興味ある方は下記リンクより詳細を確認の上、ご参加ください。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

 

「リユース業界37兆円未開拓マーケット掘り起こしセミナー」セミナー開催のお知らせ

 

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