先日、弊社の大学生のインターンが、初めてあるリユースショップチェーンに
自分の着なくなった洋服を売りに行った話を聞きました。
その学生は、今までリユースショップには、ブランドものの洋服しか売れないという
認識だったのが、ノンブランドの洋服も売れるということを知って、一度、売りにいって
みようと考えました。
自宅で、もう着ない洋服を数点を紙袋に入れて、自宅から40分くらいかかる繁華街の
大手チェーンのリユースショップに洋服を持ち込みました。
私が、❝初めて売ってみてどうだった?どう思った?❞
と聞くと
大学生 ❝いやー、正直にお話するともう、二度と行かないかもしれないですねー。❞
私 ❝どうして??❞
大学生 ❝自宅での準備を入れると2時間近く、時間を使って買取金額が450円にしかならなかったし、まさか、全部引き取ってくれず、お返しもされて、繁華街でまた紙袋に自分の服をぶら下げて帰るなんて、正直ありえないです。。。。
しょうがないから、返された洋服は、近くのユニクロの店舗の回収BOXに入れてきましたよ。❞
私 ❝そうだったんだね。それで何か気づいたことある?❞
大学生 ❝いやー、なんか買取を担当してくれたスタッフも、
「買取ですね。お待ちください。」
「はい、査定が終わりました。これがいくらでこれがいくらで、合計でいくらです。よろしいですか。」
みたいな超事務的な対応で、がっかりしました。
献血の時と比べてみたんですが、献血って善意の気持ちで受けにいって、もちろんお金はもらえませんが、ジュースをもらって、でも献血にご協力頂きありがとうございました!みたいな感謝の言葉や気持ちが伝わってきて、あーちょっといいコトしたな。とか少しは役に立てたかなという、気持ちにさせてもらえるじゃないですか。
それに比べて、リユースショップにモノを持ち込んでも、感謝の気持ちが伝わってこないしただ作業されているという感じで、いいコトしたなとか、お店から感謝されたなって一切伝わってこないので、残念ながら今後リユースショップにあえて持っていこうと思わないですね。❞
とのことでした。
買取行動(約2時間の準備と往復の時間と労力)の見返りとしての報酬は、
大きく経済的報酬と精神的報酬の2つがあると思います。
経済的報酬の方は、今回のケースの場合450円という買取金額です。
そして、精神的報酬は何もなかったと感じさせてしまっています。
初めてモノを売る人が純粋に感じるのは、自分がかけた労力に対して、
返ってくる報酬(経済的報酬と精神的報酬の合算)が大きいのか、少ないのかということです。
多くの場合、よほどのプレ値が付く場合を除いては、経済的報酬のみで満足を与えるのは難しいと思います。
そこに精神的報酬が加算されて、トータルの報酬で、また行こう!とか
今度はこれを売ってみよう!とリピートしてくれるものだと思います。
特に、初めてモノを売る行動をする人が、このように自分のかけた労力以下の
対価の報酬しか受け取ることができなければ、もう二度と買取行動をするという
判断はしないのではないでしょうか。
リユース業界の大きな課題は、利用率が約40%という事は以前からお伝えして
いますが、まさにこの事例のような事が日本中でたくさん起きているのだと推測されます。
リユース企業側は、お客様の行動に対して、経済的報酬と精神的報酬の合算を意識して
接客にあたってほしいと思ったとても参考になる真実の事例です。
ぜひ、お客様の労力<与える報酬(経済的報酬+精神的報酬)を意識して、日々の運営に
あたってほしいと思います。