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現在、SGDS、サスティナビリティー、ゼロカーボン、など地球環境に対する企業の取り組みが2015年以降、特に世界的に注目を浴びてきています。
さらに、今回のコロナウィルスの世界的流行により、より地球環境に対する意識が高まったと感じています。
この背景には、地球環境問題やコロナウィルスなどの社会問題と、経済が改めてリンクしているという実感を世界中の人々が持ったからだと思うのです。
経済を取るか?命を取るか?の2元論の議論ではなく、経済を回さないと守れない命もあるので、2つは別物ではなく表裏一体でくっついていると考える方が自然だと思います。
なので、我々は日々、経済活動で仕事をしているわけですが、その仕事が地球環境や社会にプラスに働いているのか?それともマイナスに働いているのか?を真剣に向き合って考えたという方が増えたのだと思います。
リユース業界は、そもそも「もったいないの精神」や「必要がなくなったモノを必要な方に届けるハブの役割」で成長してきました。リユース率が高まれば、確実にゴミが減る効果があるのは間違いありません。こういった環境にやさしいビジネスという側面も、そもそも持っていることを、より意識して仕事に活かすタイミングが来たと思うのです。
ただし、今までのリユースビジネスモデルは、不用品の再使用なので、その再使用されたモノも、最終的にはリサイクルされるケースは少なく、ごみになってしまうのが現状です。もちろん、一部は原材料からリサイクルされて、また新たな商品として生まれ変わっていますが、あくまでごく一部の商品になっています。
これからの時代のキーワードに、サーキュラーエコノミー(循環型経済)というテーマがあります。詳しい説明はここで書くと、膨大になりますので、大きくいうと今までの、リユース・リサイクル経済と何が違うか?と言いますと、「ごみを出さない」という点にあります。
例えば、有名な事例としては、オランダのマッドジーンズの例です。このジーンズは、月々1200円でレンタルするジーンズで、使用1年後にメーカーに返却するか?そのまま引き取るかが選択できる仕組みになっています。2012年に設立され、2021年5月現在で12万本がリースされ、4.5万本が返却されるという実績があります。返却されたジーンズは、新しい商品の原材料の約40%の割合で使用され、新しい原材料を40%も節約することに成功しています。
このように、最初からごみを減らす設計をし、新しい資源をできるだけ節約する仕組みがまさに、サーキュラーエコノミーのビジネスモデルとして注目されています。
こういう事例をお伝えすると、それはメーカーの役割だよね。といったご意見を頂戴することもあります。おっしゃる通り、メーカーが売りっぱなしのビジネスモデルではなく、こういったごみを出さない循環型のビジネスモデルに変化しようと、今まさに取り組もうと動かれています。
こういったサーキュラーエコノミー時代の中で、我々リユース企業は、どう考え、どうポジショニングするかが、まさにこれからの時代に問われている重要な課題だと思います。
特に、ブランドを大切にしている企業は、“公式中古”というブランド自らが、売りっぱなしではなく、自分たちが売ったものを、顧客から回収し、モノによって、リサイクル、リペア、リメイク、メンテナンスを行い、また顧客の元に提供する流れになっていくと考えています。
また、ブロックチェーンやIOTのテクノロジーによって、どこの工場で生産され、どこの物流センターに入り、どこの店舗で売れていったモノかが、わかるようになります。これによって、モノの真贋が容易になります。
こういったサーキュラーエコノミーの時代がくる中で、リユース企業の方向性は、そもそもの原点に戻ることが大切なのでないかと思うのです。リユース業の原点とは
「今まで活用されていなかった不用品の価値を“再発見”し、リユース企業が介在することでその価値を“再生”し、価値がない、認められていなかったものを再び「誰かの必要」に変えていく。」
ということです。ポイントは、
にあると思います。
ある意味、リユース業界の中での競争は、リセールバリューの高い商品の取り合いであり、ある意味、価値を再発見、再生、再編集などをしなくても売れるモノに集中した奪い合いでもあると思うのです。そのため、価格での買取競争により、利益率が低下し、疲弊するという流れがあると思うのです。もちろん、そこの部分での競争は全て必要ないということではなく、原点に立ち返って、自分たちのビジネスモデルを捉え直す必要があると思うのです。
リユース企業は、サーキュラーエコノミーの時代の中でどうポジショニングをするのか?どうかじ取りをしていけばいいのか? 存在意義を再発見し、誰にどんな価値を届けるのか?をお伝えする「リユース業界経営戦略セミナー」を、9月28日に行います。
ぜひ、ご期待ください。最後までお読み頂き誠にありがとうございます。